今月に入り、ほぼ毎日のように八朔を手にしています。八朔シロップも既に3回作りました。ブログにレシピを掲載しましたがもっと改良できるところはないかなと分量を変更してみたり、作り方を見直したりしています。今回は八朔の歴史や栄養素などについて簡略的ではありますが紹介したいと思います。
【歴史】
八朔(はっさく)は雑柑と言われ、柑橘類の中で由来が不明なグループに属します。歴史は江戸時代に遡りますが、広島県尾道市因島にある恵日山浄土寺で発見されます。しかし恵日山浄土寺で発見された理由は不明とのこと。「八朔」と名付けられたのは江戸時代ではなく、明治時代に入ってからと言われています。当時恵日山浄土寺の住職であった小江恵徳が、「八朔(8月1日)には食べられる」と言ったことから名付けられたのが定説になっています。ただ、ここで言う8月1日は旧暦です。現在だと9月初め頃に該当しますが、まだ食べられる状態ではありません。
また発見された場所は恵日山浄土寺ではなく住職の生家だとするものもあります。
【原産地】 広島県
【主産地】和歌山県
【旬の時期】
12月中旬~2月下旬に収穫。1~2ヶ月貯蔵してから出荷。2月~4月が出荷最盛期。
【味】
甘味は少なめで酸味が強く、ほろ苦い。砂じょう(粒)が大きくてしっかりしている。
【食べ方】
厚い外果皮を剥き、じょうのう(薄い袋)から出して食べる。外果皮は厚くて硬く手で剥けないので包丁などで切り込みを入れて剥く。
【主な注目栄養素】
ビタミンC
100gあたり40㎎含まれている。水溶性(水に溶けやすい)で熱に弱い。コラーゲンを作る栄養素。抗酸化作用もり美容効果が期待できる。
ナリンギン
苦み成分。食欲抑制作用、脂肪分解を促す作用がある。抗アレルギー作用があり、花粉症の症状緩和が期待できる。ナリンギンは果肉よりも果皮やじょうのうに多く含まれる。
100gあたり180㎎含まれる。血圧を下げたり、骨密度を増加させる。また体内の水分を保持するのでむくみ解消の効果あり。
ミネラルの吸収を高める。疲労回復効果がある。クエン酸はこまめに毎日摂取することで効果が得られる。
八朔シロップを作るにあたり八朔についても同時に調べていました。八朔の名前の由来が住職のひと言からとは本当に?と思いました。実際には8月1日には食べられないのでなぜ食べられると言ったのか不思議ですよね。8月1日という意味の2月から4月に旬を迎える果物。調べれば世の中には系譜や生い立ちのよくわからない食物が他にも存在するのだろうなと思いました。
それから栄養素にも注目して頂きたいと思います。特にナリンギンという栄養素は摂取することで花粉症対策にもなります。今の時期にぴったりな果物です。果皮に多く含まれるので捨てずにマーマレードなどにして摂取するのも良いと思います。
さてコンテナいっぱいに収穫した八朔も残り少なくなってきました。さあ次は何を作ろうかな…。